チタンとステンレスの違いとは?比較・見分け方
チタンとステンレスは、強度や耐食性に優れる点で共通しています。アクセサリーや食器など身近なものにも広く採用される素材です。ただし、両者とも錆びに完全に耐えられるわけではありません。環境によっては、チタンまたはステンレスの方が優れていることもあります。例えば、特定の酸化物や塩化物が存在する環境では、チタンの耐食性が高まることがあります。要するに、どちらが最適かは使用環境や目的によります。航空機や医療機器などでは、チタンの軽さと耐食性が重要視されますが、他の場面ではステンレスの強度や耐摩耗性が求められることもあります。適材適所の考え方が重要ですね。
チタンとステンレスの物性比較
チタンとチタン合金には大きな違いがあります。純チタンは純度が高く、安価で加工が容易です。一方、チタン合金はアルミニウムやニッケルなどの合金元素を含んでおり、強度や耐食性が向上しています。
チタンはステンレスと比べて密度が軽く、熱収縮が少なく、昇温しやすい特性を持っています。耐力については、純チタンとステンレスには大きな差はありませんが、ヤング率はステンレスの約半分です。
両者とも耐食性と強度に優れていますが、チタンは金属アレルギーが起こりにくく、軽量性が特徴です。そのため、腕時計やアウトドア用のクッカーなどに採用されています。一方で、ステンレスは重いですが美観性が高く、価格も手頃であり、多くの製品で利用されています。
チタンは自動車、航空機、医療機器など幅広い分野で使用されています。一方、ステンレスは機械部品やキッチン用品、家電製品などに幅広く採用されています。
チタンとステンレスの錆びにくさ
チタンとステンレスは不動態皮膜を形成することで耐食性がありますが、塩化物イオンの存在下ではチタンの耐食性がステンレスよりも優れています。これは、ステンレスが塩化物イオンによって不動態皮膜が破壊されやすい一方で、チタンは塩化物イオンに対して不動態皮膜が安定しているためです。
ただし、チタンも万能ではなく、塩酸や硫酸などの非酸化性の酸に対しては腐食しやすい傾向があります。一方、硝酸などの酸化性の酸では、チタンとステンレスの両方が不動態皮膜を安定させるため、錆びを防ぐことができます。
チタンとステンレスの見分け方
ステンレスには磁性を持たないオーステナイト系や、磁性を持つフェライト系やマルテンサイト系などの種類があります。一方でチタンは、純チタンもチタン合金も非磁性の素材です。他のステンレスとチタンを区別するためには、磁石を使ってみると良いでしょう。ただし、オーステナイト系ステンレスは加工によって磁性を持つ場合があります。そのため、磁石に引き付けられるものはステンレスである可能性が高いです。もし磁性で見分けがつかない場合は、重さを比較してみる方法もあります。チタンの比重は約4.5であり、ステンレスは7.9ほどです。同じ体積の物でも、チタンはステンレスの1.5倍以上軽いので、似たサイズのものを比較する際には重さで判断できることがあります。
チタンの磁性
チタン自体は一般的に磁性を持ちませんが、純粋なチタンに微量の鉄や他の元素が混ざることで、磁性が見られる場合があります。しかし、その磁性は非常に弱く、一般的な磁石とは異なります。そのため、チタンが磁性を持つ場合でも、一般的な磁石として使用することはできません。
ステンレスの磁性
ステンレスには複数の種類があります。一般的に、オーステナイト系のステンレス(300番台の系統)は磁性を持たないことがあります。しかし、フェライト系やマルテンサイト系のステンレス(400番台の系統)は磁性を持つことが一般的です。要するに、ステンレスの種類によって磁性の有無が異なります。オーステナイト系のステンレスは通常、磁性を示さない傾向がありますが、他の種類のステンレスは磁性を持つことがあります。
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