SUSとは?
「SUS」とは、ステンレス鋼です。ステンレスには様々な種類があり、異なる特徴で用途が使い分けられます。フライパンやポットなどの家庭用品のほか、様々な機械の部品や装飾品としても活躍しているステンレス(SUS)には様々な種類があります。ステンレスの性質や種類を知っておくと、ステンレス製品を買うときや加工メーカーに依頼する際に非常に役に立ちます。
SUS(ステンレス)の種類|メジャーな王道3種類
「ステンレス」は「さびない」という意味です。この言葉のとおり、ステンレスのメリットは「さびにくい」ことです。また、酸化耐性があることから、機械の部品や建築物にも使用されています。
ステンレスは、含有物の量や熱処理による温度変化によって、様々な結晶構造に変化します。結晶構造が変化することで、性質もさまざまに変化します。そのため、用途にあわせたステンレス製品を作ることができます。
マルテンサイト系 SUS4xx |
SUS410 刃物類 機械のブレード部品 |
・焼入れによって硬化 |
フェライト系 SUS4xx |
SUS430 業務用厨房 自動車部品 建物内装 |
・焼入れによって硬化しない ・応力腐食割れに強いので経済性に優れる |
オーステナイト系 SUS3xx |
SUS304 | ・延性、強度、耐熱性、靭性に優れる ・唯一、磁石につかない ・応力腐食割れには注意が必要 ・リサイクル率が高い |
*金属加工において最もメジャーと言われるステンレスは、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系の3種類です。
SUSの種類①マルテンサイト系ステンレス
マルテンサイト系ステンレスは、クロムが主要成分となっているステンレス鋼です。「クロム系ステンレス鋼」に分類されます。
ステンレス鋼の中では炭素の含有量が比較的多く、クロム量が少ない組成になっています。マルテンサイト系のステンレスは、質量パーセント濃度が約 11 % から 18 % 程のクロムを含有しています。
マルテンサイト系ステンレスは、焼き入れ(熱によって硬化させる加工)をする必要があります。単純に焼き入れだけをすると硬度が弱い(硬いが脆い状態)ため、焼き入れをした後に焼戻し(再加熱して硬さを調節する加工)をして、硬度を高くします。ほとんどのマルテンサイト系ステンレスは、焼戻しをした後に使用されています。マルテンサイト系ステンレスは、加工の時には柔らかくて加工しやすく、部品として使う時には硬い状態で使用できます。こういった性質から、比較的加工しやすいステンレスと言われています。
メリットは、高い強度と耐摩耗性を持っている点です。特に強度は全ステンレスの中でも最高の硬さです。そのため、刃物や機械のブレード部品などに用いられます。しかし、耐食性は他のステンレス製品よりも若干落ちます。
熱処理を行うステンレスには、マルテンサイト系の他にオーステナイト系があります。
SUSの種類②フェライト系ステンレス
フェライト系ステンレスは、常温でもフェライトを組織とする組成を持つステンレス鋼の一種です。
フェライト系には、様々な鋼種があります。クロムの他に、モリブデンや銅など様々な合金元素が性能向上のために添加されています。代表的な鋼種のフェライト系ステンレスは、クロム含有量が約18 %程です。
メリットは、ステンレス鋼の中で比較的安価な点です。耐食性は、マルテンサイト系よりも高いです。フェライト系には、合金元素の物を加えたり、高純度にしたりすることで、さらに耐食性を高めたものもあります。フェライト系ステンレスは安価で耐食性も高いため、自動車部品や建物の内装などに使用されることが多いです。
しかし、ステンレス鋼の中では強度が高くありません。そのため強度を必要とする部品や負荷のかかる機械部品などには向きません。
SUSの種類③オーステナイト系ステンレス
オールステン系のステンレスは、オーステナイト組織を常温でも示すステンレス鋼です。オーステナイトとは鉄に炭素などが溶け込んだ物質のことです。
オーステナイト系は、高温になると強度が高くなりますが、低温でも脆くなりにくい性質を持っています。ステンレスの中では最もメジャーで、ステンレス生産量60%以上を占めています。
メリットは、他のステンレスよりも耐食性が比較的高く、溶接加工もしやすい点です。低温・高温環境でも他のステンレス鋼ほど強度低下は少ない性質を持っているため、機械部品にも幅広く使用されています。また、磁性がありません。
加工しやすいため、自動車部品や厨房の家庭用品など様々な物に加工されています。
金属加工においてマイナーなSUSの種類
オーステナイト フェライト二相系 (SUS3xx)
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SUS329J1 公害防止機器 海水用復水器 プランター |
・オーステナイト系、フェライト系より耐食性、強度が優れる |
析出硬化系
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SUS630 ロケットや飛行機の構造材 エンジン部品 |
・とても高い強度と耐食性 ・高い溶接性 ・価格が高い ・加工も難しい |
マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系の3種類が金属加工において最も使用されているステンレスですが、より限られた環境で使用される製品や建物には、別のステンレスが使用されることがあります。
SUSの種類④オーステナイト・フェライト二相系ステンレス
オーステナイト・フェライト二相系のステンレスは、オーステナイト系とフェライト系両方の特性を持っているものが多く見られます。オーステナイト・フェライト二相系は、耐食性や強度が優れているので、公害防止機器や海水用復水器等に使用されます。
ただし、加工が難しいため家庭用品にはあまり使用されないステンレスです。
SUSの種類⑤析出硬化系ステンレス
析出硬化系のステンレスは、耐食性の高いステンレスに析出硬化を行い、強度を上げたステンレスです。海外では多くの鋼種が開発されています。析出硬化系ステンレスの強度はとても高く、マルテンサイト系のステンレスと同等と言われています。析出硬化系は溶接性や耐食性も高い為、精密な機械部品に多く使われます。ロケットや飛行機の構造材やエンジン部品としても使用されています。性能は非常に良い析出硬化系ですが、他のステンレスと比較すると価格が高く加工も難しいため、扱うのはかなり難しいです。
TECH-JOURNEYのプレス加工について
精密プレス部品の金型開発から試作量産まで承っております。弊社ではお客様の要望する数量やコストに合わせて最適な加工方法にて製造致します。国内、海外にて製造が可能で納期、価格についてお気軽にお問い合わせください。創業50年の技術と知識を活かして、多種多様なお客様のニーズにお答え致します。
>> プレス加工・板金加工について~絞り加工、プレス金型製作
中国でのプレス加工について
弊社は2002年に東京大田区・中国広東省にプレス加工、金型製作の生産工場を設立いたしました。現地の日系サプライヤーに対して日系品質のプレス加工品をOUT-OUTで納入いたしております。
弊社は現地の低コストにて金型を製作し、プレス加工の量産をしています。
中国でのOUT-OUT取引、日本、タイ、ベトナムなどのへの輸出にも対応可能です。
現在、中国工場では日本人1名、ローカルスタッフ100名にて工場を運営しております。グループ会社である日本法人、香港法人と連携してお客様対応しております。中国で生産するプレス案件に関しては、日本での打ち合わせが可能となっております。
中国でのプレス加工生産事例
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ステンレス加工・生産事例
大田区での金型設計について
弊社は東京大田区にて金型設計を行っています。設計したCAD図をもとに自社中国工場にて金型部品の製作、組み立てを行っています。プレス金型は単発、順送、トランスファーと設計することが可能です。プレスでは打ち抜き、曲げ、絞り加工に対応する金型設計が可能となっています。大田区の協力企業様も多く、試作から量産まで大田区、中国工場にてワンストップで対応しております。
ステンレスの深絞り加工について
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弊社はステンレス/SUSの絞り加工を得意としています。平板のシート材から繋ぎ目のないシームレスな筒・パイプを製作することができます。ステンレスはとても硬く加工するとシワが出やすい材料となります。弊社は独自の金型技術を活かして外観も綺麗に仕上げる加工が可能となっています。また独自の潤滑油 (絞り油)を開発して工場内で使用しています。このようにステンレスの絞り加工は 機械+金型+加工技術+ノウハウが重要となります。弊社では他社では実現できないようなすステンレスの深絞り・異形絞りなど次々と実現しております。
岐阜精器工業
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金属・樹脂加工の海外調達、コストダウンなら