レアメタルとは
レアメタルは、統一された定義がありませんが、地殻中の存在量が比較的少なかったり、採掘と精錬のコストが高いなどの理由で流通・使用量が少ない非鉄金属を指し、「存在量が稀であるか、抽出することが経済的・物理的に非常に困難な金属」を総称するものです。レアメタルは、家電産業、IT産業、自動車産業をはじめとする多くの産業で幅広く使われており、日本の産業にとって必要不可欠な金属です。
金属の種類
ベースメタル
鉄
鉄や銅、亜鉛、鉛、アルミニウムなどのように社会の中で大量に使用され、生産量が多く、様々な材料に使用されてきた金属は、一般的にベースメタルと呼ばれています。
貴金属
パラジウム
一般的には金、銀、白金(プラチナ)やパラジウムなどの8元素を指し、希少で耐腐食性があるのが特徴の金属です。
レアメタル
ガリウム
明確な定義はありませんが、「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、安定供給の確保が政策的に重要(経済産業省)」で、産業に利用されるケースが多い希少な非鉄金属を指し、構造材料へ添加して特性を向上させたり、また電子材料・磁性材料などの機能性材料などに使用されています。
レアメタルの種類
レアメタルは、プラチナなどの貴金属のような資源的に希少なものから豊富なものまで幅広く含まれ、原子番号の小さいリチウムからビスマスまで、31鉱種(レアアース17鉱種を1鉱種として数える)、元素にして47種類あります。日本では1983年より、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステンの7種類のレアメタルについては、国家備蓄が行なわれています。民間備蓄分と合わせて国内基準消費量の60日分を確保することが目標となっています。このうち、例えばチタンなどは地中埋蔵量は多いのですが、高純度のチタンを精錬するのは非常に困難で、その技術コストが非常に高額になるため“稀少な”金属となっています。
リチウム [Li] |
ベリリウム [Be] |
ホウ素 [B] |
[希土類] | チタン [Ti] |
バナジウム [V] |
クロム [Cr] |
マンガン [Mn] |
コバルト [Co] |
ニッケル [Ni] |
ガリウム [Ga] |
ゲルマニウム [Ge] |
セレン [Se] |
ルビジウム [Rb] |
ストロンチウム [Sr] |
ジルコニウム [Zr] |
ニオブ [Nb] |
モリブデン [Mo] |
パラジウム [Pd] |
インジウム [In] |
アンチモン [Sb] |
テルル [Te] |
セシウム [Cs] |
バリウム [Ba] |
ハフニウム [Hf] |
タンタル [Ta] |
タングステン [W] |
レニウム [Re] |
白金 [Pt] |
タリウム [Tl] |
ビスマス [Bi] |
レアメタルの用途
用途が多岐に渡る、現代社会では非常に重要な元素
レアメタルは、それぞれの元素によって、耐食性、耐熱性、強磁性、超伝導などの特性を持つことから、材料の耐食性を強めたり、融点などを高めたり、強度を増加させる目的で利用されています。また、強度を増したり、錆びにくくする構造材料への添加材として、また発光ダイオードや電池、永久磁石などの電子・磁石材料として、さらには光触媒やニューガラスなどの機能性材料として用途は多岐に渡ります。レアメタルの応用分野では、自動車、航空機、デジタル家電、素材、産業機械などの様々な製品に使われており、現代社会では非常に重要な元素と言えます。
レアメタルの主な用途
レアメタルを利用している主な製品
製品 | 主な鉱種 |
次世代自動車
(EV・PHV・HV) |
ネオジム、ジスプロシウム(駆動用モーターの磁石) リチウム、コバルト、ニッケル(バッテリーの正極材) |
家電4品目
(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機) |
ネオジム、ジスプロシウム(エアコンのコンプレッサーやドラム式 洗濯機のモーター内の磁石) |
PC
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ネオジム、ジスプロシウム(HDDの磁石) コバルト(2次電池) |
電気・電子機器
全般
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タンタル(基板のタンタルコンデンサー) |
超硬工具
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タングステン(超硬工具、刃先交換工具) |
携帯電話
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コバルト(2次電池)、タンタル(基板のコンデンサー) |
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