青銅と黄銅の違い
黄銅は真鍮ともいい、主に銅(Cu)と亜鉛(Zn)の合金で、種類によってアルミや錫、鉛、マンガン、鉄などの合金元素を添加した銅合金のことです。青銅には、銅(Cu)と錫(Sn)の合金である「すず青銅」と、これらにリン(P)を添加した「リン青銅」とがあります。両者ともに種類がいくつかあり、それぞれに特徴が異なっているため、どの黄銅とどの青銅を比較するのかを明確にする必要がありますが、全般的には以下の点で違いがあります。
– | 黄銅 | 青銅 |
成分・組成 | 銅(Cu)と亜鉛(Zn) | 銅(Cu)と錫(Sn)、リン(P) |
種類 | 丹銅、七三黄銅、六四黄銅、快削黄銅、ネーバル黄銅、アルミニウム黄銅、高力黄銅、アドミラルティ黄銅、錫入り黄銅など | すず青銅、りん青銅、アルミニウム青銅など |
引張強さ | 黄銅:250~650N/mm2 | りん青銅:300~800N/mm2 |
特徴 | 銅合金でもっとも良く使われる。展性、延性、曲げ性、絞りなどに優れた丹銅、七三黄銅、めっき性のよい65/35黄銅など。Znの含有比率によって物理的性質が変わる。 | 黄銅よりも海水に対する耐食性がよい。耐摩耗性に優れる。ばね特性に優れたりん青銅。強度、硬度、耐力に優れ、耐食性や耐海水性にも優れたアルミニウム青銅など。 |
黄銅と青銅でよくある間違いと見分け方
青銅と似た素材として、黄銅があります。一見すると似た特徴のあるのですが、見分ける方法はあるのでしょうか?
真鍮と砲金の違いを知る上で把握するべき3つのポイントについて説明します。
黄銅とは?
黄銅とは、銅と亜鉛の合金であり、特に亜鉛が20%以上のものを指します。一般的には、真鍮と呼ばれることも多い金属です。黄銅の比較的低い融点と流動特性によって、黄銅は青銅や亜鉛などより簡単に鋳造可能という特徴があります。物に当たっても火花が出ないという特徴があり、火気厳禁の場所での工具に利用されています。ただ、青銅と黄銅は比較的同じ用途に用いられることも多いために、見分ける方法を習得することが重要です。
簡単な見分け方法
身近なものとして、青銅と黄銅は硬貨として使用されています。5円玉が黄銅で、10円玉が青銅となり、新品状態では色合いに大きな違いがあります。青銅の場合、銅の含有率が約80%と高いので赤味を帯びているのが特徴です。よって、黄銅と青銅を比較して色が赤っぽい場合は青銅ということになります。単独で見極めるのはとても難しいので、新品に近い5円玉と10円玉を用意して比較するのがおすすめです。ただ、青銅に対して表面処理加工していると、素材の色合いがわからないこともあるのです。その場合は、ヤスリなどで表面を軽く削り、表面処理部分を取り除いて色合いを確認してください。
まとめ
青銅と黄銅は、色合いで見極めることも可能です。ただ、単独で判断せず比較用の硬貨などを用いて判断することをおすすめします。