ジュランミンとアルミの違い
ジュラルミンはアルミニウム合金のひとつで、純アルミニウムに添加元素を加えて強化したものです。ジュラルミンはアルミ合金の中でも機械的強度を高めることに重点が置かれています。アルミニウムは、軽くて強度があると比強度の強い材料のため、合金が航空機やジャンボジェット機の筐体に使われています。ただ、アルミは合金にする過程で、どのような元素を添加し、熱処理の有無によっても性質はかなり異なります。アルミ合金の場合は、熱処理して使うタイプと、非熱処理型とに分かれています。アルミ合金にはJIS規格で固有の番号がついており、ジュラルミンは2000系と呼ばれる分類に入ります。Cuを含むアルミ合金で、強度が高く、鉄鋼に匹敵するとも言われます。
ジュラルミンとは?
ジュラルミンとはアルミニウム合金の一種です。アルミニウムは比較的軽い材料ですが、それほど強度が高くありません。アルミニウムの強度を補うために銅などの金属を加え、ジュラルミンという軽さと強さを兼ね備えた材料が生まれました。現在、JIS規格では3種類のジュラルミンがあります。
- ジュラルミン(A2017)
- 超ジュラルミン(A2024)
- 超々ジュラルミン(A7075)
このうち、ジュラルミンと超ジュラルミンはアルミニウムと銅の合金です。
超々ジュラルミンはアルミニウムと銅のほかに亜鉛とマグネシウムも含まれており、アルミニウム合金の中でも最も強度が高い材料です。
ジュラルミンを選ぶメリット
軽さ
アルミニウム合金であるジュラルミンは他の金属に比べて軽い材料です。材料の重さを知る指標として「比重」というものがあります。比重とは、水の密度に対する材料の密度の比のことで、数字が大きいほど重いということがわかるものです。例えばジュラルミンの比重は2.7ですが、チタンは4.5、鉄やステンレスは7.8~7.9程度もあるので、比較するとジュラルミンの軽さがよくわかります。
強さ
ジュラルミンは軽いだけではなく強度の面でも大変すぐれています。
材料を引っ張る力への耐久性を「引張強さ」という指標で知ることができます。ジュラルミンの中でも最も強度が高い超々ジュラルミンは570であるのに対し、チタンは340~500、鉄は400~500程度です。ジュラルミンは軽いだけではなく、強度にもすぐれています。
ジュラルミンの加工のポイント
切削性が良い
ジュラルミンは軽くて強いだけでなく、切削性にもすぐれた材料です。
ただし、ジュラルミンの強度が増すごとに切削性は下がっていくため、注意が必要です。
耐食性が低い
ジュラルミンには銅が含まれているため、酸化しやすく、耐食性が低いというデメリットが挙げられます。
そのため、常に水中などの腐食しやすい環境で使用する製品については防食処理が必要です。
溶接には不向き
ジュラルミンは溶接にはあまり適していない材料です。
ジュラルミンでも加工できないわけではありませんが、汎用アルミやステンレス、鉄の方が溶接しやすい材料となっています。特に最も強度がある超々ジュラルミンは溶接性が低く、割れてしまうことが多いので注意が必要です。