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硬質クロムメッキとは?特徴・メリット・デメリット

硬質クロムメッキ

 

 

硬質クロムメッキは、クロムメッキの一種で、1μm以上の厚さでクロム金属がメッキされたものを指します。ハードクロムメッキとも呼ばれますが、意味は同じです。硬質クロムメッキは厚いメッキ層を持ち、高い硬度と耐摩耗性を提供するため、機械部品や金型などの工業製品によく使われます。

 

硬質クロムメッキの特徴

硬質クロムメッキは、直接母材にクロムメッキを施し、高い硬度と耐摩耗性のある皮膜を形成します。硬質クロムメッキの主な特徴としては、高硬度、耐食性、厚い膜厚、そして優れた耐摩耗性があります。

 

高硬度

電気メッキの中でも、硬質クロムメッキは最も硬い皮膜を形成することができます。膜厚が25μm以上の場合、硬度はHV800〜1000であり、JIS(H8615)規格では、20μmのビッカース硬度がHV750以上となっています。

 

耐食性

クロム表面は瞬時に酸化膜を形成し、銅より貴な電位を持つため、耐食性に優れています。塩化物以外の化学薬品に対しても安定しており、大気中でも10μm以上の厚さの皮膜は比較的良好な耐食性を示します。さらに、下地メッキを施すことで耐食性を一層向上させることができます。

 

膜厚

硬質クロムメッキは、1〜1000μmの厚さにメッキされ、特に10μm以上の厚さでは優れた耐食性と大気中での安定性を持ちます。しかし、複雑な形状に均一な厚みでメッキを施すのは難しく、凸部にメッキが多く析出し、凹部には少なくなる傾向があります。そのため、製品の寸法や精度を保ちながら均一なメッキ膜厚を実現するには、専用のジグが必要です。また、膜厚が薄い場合、クラックが基材まで達しやすいため、湿気の多い環境での使用や保管時には防錆油の塗布が必要です。

 

耐摩耗性

硬質クロムメッキは皮膜硬度が高く摩擦係数が小さいため、耐摩耗性に優れています。摺動する面にメッキを施す際には、かじり現象に注意が必要です。硬質クロムメッキ同士で摺動させると、硬い皮膜同士のため摩耗は少ないと思われがちですが、実際にはかじり現象が発生し、両方とも急速に摩耗してしまいます。クロム皮膜と摩耗してかじり現象を引き起こしやすい材料には、砲金や黄銅なども含まれます。

 

硬質クロムメッキのメリット

バフ研磨をメッキ前後に併用することで光沢と耐摩耗性を持たせられます。鉄、ステンレス、銅にも適用可能で、厚いメッキを施し、再メッキも容易です。加工ミスの修正や部分的な再メッキも簡単に行えます。

 

硬質クロムメッキのデメリット

酸性環境下で、複雑な形状の場合は専用ジグが必要で、コストが上がります。一定の膜厚を超えるとクラックが生じ、耐食性が低下する可能性があります。クロムメッキは電流効率が悪く、角部ではバリが出やすく、隅部や複雑な部分ではメッキがつきにくい傾向があります。電圧や温度管理、ジグ製作など、品質の安定化が技術的に難しい面もあります。水素脆性も問題となります。

 

 

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