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青銅の種類・成分、特性、用途などについて

青銅(ブロンズ)について

 

 

青銅とは、銅と錫、そのほか亜鉛と鉛の四元素を主体とした合金です。一般に言う青銅色は彩度の低い緑色であるが、本来の青銅は光沢のある金属で、添加する錫の量が少なければ10円玉に見られるような赤銅色、多くなると黄金色になり、一定以上の添加では白銀色になります。ちなみに奈良の大仏も青銅(ブロンズ)です。

 

青銅の成分

青銅銅:60%~65%・亜鉛:25%~30%・鉛:5%~10%・錫:5%~10%の合金。 青銅は銅が主成分。錫の含有量によって硬度が変わり、少ないと軟らかく展延性があり、多いと硬度が上がります。 青銅は適度な流動性があり、展延性と鋳物に適した融点の低さが特徴です。

 

青銅の種類

砲金

靭性に富む性質を持つことから、大砲の砲身でもありました。鋳造が容易で、耐摩耗性、対浸食性にも優れており、大砲に用いられたことからガンメタル、日本語では砲金と呼ばれるようになりました。砲金のスクラップとしては、水道メーターや、バルブ(弁)がありますが、砲金以外の異物が付いていると込砲金となります。一般的には、銅85%、錫5%、亜鉛5%、鉛5%のものが代表的な合金です。ちなみに、10円硬貨は銅95%、亜鉛4%、錫1%の砲金です。

 

リン青銅(燐青銅)

溶解鋳造時に微量のリンを添加することにより、脱酸を行い、同時に溶湯の流れがよくなる事で鋳造性を向上しています。優れた強度とバネ特性を持ち、電気器具用の材料として使われております。一般的には錫4%~10%、リン0.35%以下残りが銅です。

 

鉛青銅

鉛は銅にほとんど固溶せず低い融点を保つため、銅合金に鉛が加わると偏析、逆偏析が起こりやすくなるが、反面鋳造性、切削性はよくなり、軸受材料として優れています。成分は銅77%~81%、錫9%~11%鉛9%~11%ニッケル1%以下となっております。

 

砲金削粉(砲金粉 砲金ダライ粉)

砲金から出るダライ粉の事です。砲金粉の中にアームス粉(アルミ青銅粉)は絶対に混ぜないでください。アルミの含まれた砲金粉を砲金溶解炉に入れると、酸化アルミニウムとなって炉内の内壁に付着し大変なことになります。

 

青銅の特徴と日本伝来後の歴史

 

一般的に銅は採掘可能な量が少なく、硬さと強度では鉄に劣ります。
沸点と硬度はほぼ比例しているゆえに硬くないものの、その一方で加工性に優れ、鉄より錆びにくいです。

一般にいう青銅色は彩度の低い緑色ですが、本来の青銅は光沢ある金属で、その色は添加物の量によって黄金色など様々です。添加する錫の量が少なければ日本の十円硬貨にみられるような純銅に近い赤銅色、多くなると次第に黄色味を増して黄金色となり、ある一定量以上の添加では白銀色となります。古代の銅鏡は錫の添加量の多い白銀色の青銅を素材とするものが多かったのもそのためでした。硬度は錫の添加量が多いほど上がり、それに伴ってもろくもなるため、青銅器時代の青銅製の刀剣は黄金色程度の色彩の青銅が多く使われています。また、中世・近世の銅鏡はもろい白銀色の青銅ではなく強靭な赤銅色の青銅で鋳造し、水銀で磨いたうえでアマルガムを生成させ、鏡面とする方法が主体になっています。本来の青銅は前述の通り黄金色や白銀色の金属光沢を呈しますが、年月を経た青銅器はくすんだ青緑色(前述の青銅色)になります。青銅は大気中で徐々に酸化されて表面に炭酸塩を生じながら緑青となります。

 

歴史

古代中国では、硬いが脆く展延性に劣る鋳鉄を「悪金」と呼ぶのに対し、加工性と耐久性と実用性のバランスに優れた青銅を「吉金」「美金」と称しました。日本には、紀元前4世紀頃、鉄とともに九州へ伝わりました。青銅も鉄も最初は輸入されていましたが、青銅は、紀元前1世紀頃、国内での生産が始まりました。鉄の国内での生産(製鉄)は紀元後5世紀頃だと推測されています。2世紀には大型銅鐸(どうたく)が作られ、技術は東アジアでもかなり高い水準に達していました。日本の場合は実用の道具としては鉄製品が主に用いられ、青銅製品は祭器が中心でした。戦国時代後期から江戸時代初期にかけて、大砲の技術が伝来し、日本でも青銅砲が製造されることとなります。西洋で青銅砲から鉄製砲に移行した時期は、ちょうど鎖国が破られた時期に該当するため、青銅砲は鎖国下の日本における技術の停滞の象徴的存在となりました。

 

 


 

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