ガラス繊維入りプラスチックの種類と特徴
ガラス繊維入り樹脂(GF樹脂、ガラス繊維強化樹脂)は、基材となる樹脂にガラス繊維を混ぜることで、機械的特性を向上させた複合材料です。その主な特徴と種類について解説します。
当社加工事例
GF-PA、ナイロンマシニング加工にて対応 |
特徴
- 高い強度と剛性
ガラス繊維が補強材として機能し、引張強度や剛性が大幅に向上します。通常の樹脂では対応できない荷重や応力に耐えられるようになります。 - 耐熱性の向上
ガラス繊維が熱膨張を抑え、樹脂の耐熱性を向上させます。高温環境での寸法安定性が優れています。 - 低い収縮率
成形後の寸法変化が小さく、精密な部品の製造に適しています。 - 軽量性
金属に比べて軽量でありながら、強度を確保できます。このため、航空宇宙や自動車などの軽量化が求められる分野で広く使用されています。 - 耐薬品性
一部の種類では、化学薬品や溶剤への耐性が高いものもあります。 - 成形加工性
ガラス繊維の種類や配合により、射出成形や押出成形などの加工が可能です。
種類
ガラス繊維入り樹脂は、基材となる樹脂によって特性が異なり、以下のような種類があります。
1. ガラス繊維入りポリプロピレン(GF-PP)
- 特徴: 軽量で、耐熱性・耐薬品性がある。
- 用途: 自動車部品、家電製品、工業部品。
2. ガラス繊維入りポリアミド(GF-PA、ナイロン)
- 特徴: 高い強度と耐摩耗性を持つ。吸湿性があるため環境に依存する特性を持つ。
- 用途: 歯車、ベアリング、電気部品。
3. ガラス繊維入りポリカーボネート(GF-PC)
- 特徴: 優れた衝撃強度と耐熱性。
- 用途: 電気部品、自動車の透明部品、光学製品。
4. ガラス繊維入りポリフェニレンサルファイド(GF-PPS)
- 特徴: 高い耐熱性、優れた耐薬品性、低い吸湿性。
- 用途: 自動車部品、電子機器。
5. ガラス繊維入りポリフェニレンエーテル(GF-PPE)
- 特徴: 耐熱性が高く、寸法安定性が優れている。
- 用途: 配電盤、電気機器。
6. ガラス繊維入りポリアセタール(GF-POM)
- 特徴: 高い剛性と耐摩耗性。ただしガラス繊維の影響で摺動性は若干低下。
- 用途: 機械部品、歯車、滑り部材。
応用分野
- 自動車
- 軽量化や耐久性向上のため、エンジンカバーやインテークマニホールドなどに使用。
- 航空宇宙
- 機体構造部材や内装材。
- 電気・電子機器
- 基板や絶縁部品。
- スポーツ用品
- ラケット、スキー板などの強化材。
具体的な材料選定には、用途や環境条件を考慮して最適な樹脂とガラス繊維の組み合わせを選ぶ必要があります。さらに詳しい情報や具体的な用途について必要であればお知らせください!
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