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歯車/ギアの加工・検査方法

歯車/ギアの加工・検査方法

歯車(ギア)の加工および検査方法について説明します。

1. 歯車の加工方法

歯車の加工方法は、用途や精度要求によって異なりますが、主な方法は以下の通りです。

(1) 切削加工

① ホブ盤(ホブカッター)

  • ホブカッター(ホブ)を使用して歯形を連続的に切削する方法。
  • 高い生産性があり、大量生産向き。
  • インボリュート歯形の歯車加工に適している。

② シェービング加工

  • シェービングカッターを用いて歯面を仕上げる方法。
  • 切削加工後の歯面の仕上げに使用される。
  • 高精度な仕上げが可能。

③ シェーパー加工(ラックカッター)

  • シェーピングマシンを使用して歯を削り出す方法。
  • 内歯車や特殊形状の歯車に適している。

④ ブローチ加工

  • ブローチと呼ばれる特殊な刃物を通して、歯形を削り出す方法。
  • 内歯車の加工に適している。

(2) 研削加工(仕上げ加工)

① 歯車研削

  • 歯面を砥石で研削して高精度な歯車を製作。
  • 高精度な動作が求められる精密機械や航空機用の歯車に使用。

② ホーニング加工

  • 砥石またはホーニングホイールを用いて微細な仕上げを行う。
  • 低騒音で高精度な歯車に仕上げるのに適している。

(3) 成形加工(塑性加工)

① 冷間鍛造(プレス成形)

  • 金型を使用して歯形を成形する方法。
  • 大量生産向けで、強度が高い歯車が得られる。

② 粉末冶金(焼結)

  • 金属粉末を圧縮し、焼結することで歯車を成形。
  • コストを抑えつつ、複雑形状の歯車を量産できる。

(4) その他の加工方法

① 放電加工

  • 放電(EDM)を利用して、硬い材料や特殊形状の歯車を加工。
  • 高精度な特殊歯車の製造に使用。

② 3Dプリント(積層造形)

  • 樹脂や金属粉末を積層しながら歯車を形成。
  • 試作や特殊用途向け。

2. 歯車の検査方法

歯車の品質を保証するため、以下のような検査が行われる。

(1) 歯形・歯すじ測定

  • 歯形(インボリュート曲線)、歯すじ(歯の直線性)を測定する。
  • 測定方法:歯車測定機、CNC歯形測定機など。

(2) ピッチ測定

  • 各歯の間隔(ピッチ)が均等かを測定。
  • 測定方法:歯車ピッチ測定機、ダイヤルゲージなど。

(3) 偏心測定

  • 歯車の回転中心がずれていないかを測定。
  • 測定方法:回転測定機、ダイヤルゲージなど。

(4) 歯面粗さ測定

  • 歯面の仕上がり具合(粗さ)を確認。
  • 測定方法:表面粗さ測定機(サーフテスト)など。

(5) 歯車かみ合い試験

  • 実際に歯車をかみ合わせて動作確認を行う。
  • 測定方法:かみ合い試験機(バックラッシュ測定含む)。

(6) 材料・硬度検査

  • 歯車の材料や熱処理状態を確認。
  • 測定方法:硬度計(ロックウェル、ビッカース)、金属顕微鏡など。

3. まとめ

歯車の加工方法は、切削・研削・塑性加工・放電加工など多岐にわたる。
加工後は、歯形やピッチ、偏心などを厳密に検査し、高精度な歯車を製造することが求められる。
用途に応じて最適な加工・検査方法を選択することが重要。

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