金属加工でよくある質問|材質選びのポイントとは?
金属加工でよくある質問|材質選びのポイントとは?
金属加工において材質選びはとても大切です。適切な材質を選ぶことで、製品の品質を高めたり、コストを抑えたりすることができます。しかし、選択肢が多すぎて「どれを選べばいいの?」と迷ってしまうこともあるでしょう。そこで本記事では、金属加工の現場でよく聞かれる疑問に答えながら、材質選びのポイントを詳しく解説していきます。
1. 材質選びの基本的な考え方
材質を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
① 使用環境を考える
材質によって、耐熱性・耐腐食性・耐摩耗性などの特性が異なります。例えば:
- 屋外で使う部品 → 錆びにくいステンレスやアルミが適している
- 高温環境で使う部品 → ニッケル合金や耐熱鋼が向いている
- 摩耗が激しい環境 → 硬度の高い工具鋼やハイス鋼が良い選択肢になる
② 加工のしやすさを考慮する
切削・溶接・プレス加工など、加工方法によって最適な材質が変わります。
- 精密加工が必要なら? → アルミや真鍮は加工しやすく、切削や穴あけもスムーズ
- 溶接が多いなら? → 溶接性の良い低炭素鋼やステンレスが向いている
③ 強度と耐久性を考える
- 軽くて丈夫な材料を選びたい? → チタン合金や高張力鋼が適している
- 強度が欲しいけどコストを抑えたい? → 一般構造用鋼(SS400)や炭素鋼がバランスが良い
④ コストと入手しやすさをチェックする
高性能な材質ほど価格が高く、入手が難しいことがあります。
- できるだけコストを抑えたい? → 普及している鋼材(SS400やS45C)を選ぶ
- 予算に余裕があるなら? → チタンや特殊合金などの高性能材も検討可能
2. 材質選びでよくある質問とその回答
Q1. ステンレスとアルミ、どちらを選ぶべき?
A. これは「何を優先するか」によります。
- 錆びにくさが最優先なら? → ステンレス(SUS304やSUS316)
- 軽さが大事なら? → アルミ(A5052やA6061)
- コストを抑えたいなら? → アルミの方が安いことが多い
Q2. 鉄と鋼の違いって何?
A. 鉄(Fe)は元素そのもので、鋼(Steel)は鉄に炭素を加えた合金のこと。
- 鉄 → 純粋な金属で、柔らかく、錆びやすい
- 鋼 → 炭素量によって強度や硬度が変わる(例:低炭素鋼は柔らかく、中炭素鋼は硬い)
Q3. 高強度が求められる部品にはどんな材質が良い?
A. 例えば、
- 機械の駆動部やギア → クロムモリブデン鋼(SCM)、ハイス鋼
- 航空機や自動車の軽量部品 → チタン合金(Ti-6Al-4V)
- 構造材やフレーム → 高張力鋼(SNCM、SCM)
3. 材質選びのポイント(実践編)
材質を選ぶとき、どう考えればいいのか?実際の場面を想定して考えてみましょう。
ケース1:屋外で使うボルトを選びたい
- ポイント:錆びにくいことが最優先
- おすすめ材質:ステンレス(SUS304、SUS316)または耐候性鋼(Corten)
ケース2:安くて丈夫なギアを作りたい
- ポイント:高強度で耐摩耗性が必要
- おすすめ材質:クロムモリブデン鋼(SCM415)や炭素工具鋼(SK3、SK4)
ケース3:軽量化したいけど強度も欲しい
- ポイント:軽さと強度のバランス
- おすすめ材質:アルミ合金(A7075)やチタン合金(Ti-6Al-4V)
まとめ
材質選びは、使用環境・加工性・強度・コストなど、さまざまな要素を総合的に判断することが大切です。特に、「何を最優先するか?」を明確にすることで、適切な材質を選びやすくなります。
「どの材質を選べばいいかわからない…」という場合は、材料メーカーや加工業者に相談するのも一つの方法です。適切な材質選びをすることで、品質向上やコスト削減につながるので、じっくり検討しましょう!
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