最も軽い金属元素 、リチウム
初期宇宙において、水素、ヘリウムに次いで誕生した元素です。
水の密度が997kg/m3、対してリチウムの密度は534kg/m3ほどしかなく、金属にも関わらず水にも浮かびます。
リチウムの性質
- リチウムは常温でやわらかい固体
- リチウムの炎色反応は赤
- リチウムはイオン化傾向が大きい
- リチウムは常温で空気・水と反応する
- リチウムは酸化されやすい
リチウムの用途
電池
身近なリチウムといえば、リチウムイオン電池(バッテリー)が挙げられます。軽量で充電効率が高く、多くのエネルギーが取り出せることから、PCやモバイル機器など生活に欠かせないものとなっています。
花火の火薬
リチウム深紅色の炎色反応を示し、ナトリウムやカリウムなどと一緒に打ち上げ花火の火薬と一緒に利用されたりしています。
薬
化合物の炭酸リチウムは、双極性障害(躁うつ)の治療薬として使われています。リチウムイオンは、双極性障害患者の神経細胞内の信号伝達に関わる特定の酵素の作用を妨げる力があります。そのため細胞の興奮を鎮め、抗躁効果が生じるのです。
リチウムの産地
アタカマ塩湖
リチウムの有名な産地として、チリのアタカマ塩湖があります。リチウムの埋蔵量が全世界の約27%を占めており、南米ボリビアのウユニ塩原やリンコン塩原も合わせると世界の約80%の埋蔵量があるとされています。
リチウムの発見
リチウムは、1817年にヨアン・オーガスト・アルフェドソンによって発見されました。
科学者ベルセリウスの研究室で、ペタル石(葉長石)を分析していたところ、リチウムの存在に気づきました。
ギリシャ語のLithos(石)にちなんで名付けられました。
軽い合金であるリチウム合金
ドイツ語版ウィキペディアのTomihahndorfさん – de.wikipedia からコモンズに移動されました。, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1744000による
リチウムは単体では非常に軟らかく、密度も水の半分程度しかありません。そのため、リチウム自体は金属材料として優れているはずなのですが、実際には金属材料として使うことができません。単体では水と激しく反応しますし、空気中でも窒素と反応して窒化リチウムになり、真っ黒に変色するからです。しかし、別の金属に少量添加し、合金とすることで、リチウムのよい性質を活かすことができます。例えば、アルミニウムに数%添加したアルミニウムーリチウム合金は、非常に軽く肩痛め航空機材として使われています。(1%のリチウムを添加するたびに剛性は約6%上昇し、密度は約3%低下する)また、アルミニウムよりも軽い金属マグネシウムにリチウムを添加した、マグネシウム―リチウム合金も非常に軽く強い素材と古くから知られています。最近までその加工の困難さによりあまり利用されていませんでした。しかし、2013年NECはノートパソコンに本合金を用いることにより、当時世界最軽量のパソコンの開発に成功しています。
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